家族がうつ病になった時の接し方#1(わたしの体験から)

うつ病者の家族

家族がうつ病になってしまったけれど、
うつ病に対する知識がないので、どう接したらいいか分からない。

「頑張って」って言っちゃいけないとか聞くけど、ほんとはどうしたらいいの?

 
家族がうつ病になってしまったら、その家族に対する接し方で悩んでいる方も多いと思います。
 
この記事では、
うつ病になった家族に対する接し方
について書いています。
 
さらには、
家族としての心構え
についても詳しく説明しています。
 
この記事は、筆者自身が20年近くうつ病を患った経験と
療養過程で多くのうつ病の患者やその家族と出会って聴いた話をもとに書いています。
 
長いので、記事は2つに分けています。
この記事は、「うつ病になった家族に対する接し方」についてです。
 
 

うつ病の家族に対する接し方

 
家族がうつ病になった時の接し方の注意点は以下の通りです。
 
・普段通りに接すること
・うつ病本人の感情に巻き込まれないこと
・やさしく見守ること
 
これから、わたしの経験も織り交ぜながらお話しします。
また、最後にこれだけは覚えておいてほしいことも書いてます。
 

うつ病の人でも普段通りに接すること

家族がうつ病だからといって、実は特別な対応をする必要はありません。
 
普段通り接することが一番重要です。
えっ?て思われるかもしれませんが、本人にとってはこれが一番です。
 
うつ病はさらなるストレスを避けるべき病気です。
環境の変化はストレスを生みます。
 
心配するあまりに必要以上にかかわったり、自分が治してあげようと口を出したり、逆に腫れ物に触れるように気を使ったりし過ぎると、本人はストレスを感じるものです。
 
特にうつ病の人はネガティブ思考になりやすいため、自分のせいでに家族に負担をかけていると自責の念を抱きやすいです。
家族の(応援する)気持ちに応えようとして、無理して悪化させる人もいたりします。
 
家族に早く良くなってほしい、早く治ってほしいと思うのは当然です。
だからこそいつも通りに接して、少しでも本人のストレスを減らすことが回復への近道になります。
 
努力すべきことは、常に「いつも通りを保つこと」です。
 
 

うつ病本人の感情に巻き込まれないこと

うつ病本人の感情に巻き込まれないことは、家族にとっても本人のためにもとても大切なことです。
 
うつ病の人は常に気持ちがふさいでいるイメージがあるかと思いますが、感情を一定に保つためのエネルギーが枯渇しているので、実は感情の起伏が激しくイライラして怒りが爆発することもよくあります。
 
そんな時に相手の怒りに反応して家族までイライラしてしまうと、余計に本人のイライラを増強させたり、逆に怒りを爆発させてしまったことに自責の念を感じてしまったりします。
 
また不安という感情は感染しやすく、本人が強く不安を感じているとご家族まで不安感を感じることがあります。
 
そうすると今度は本人がそれを感じ取ってさらに不安を募らせることになります。
 
ご家族が本人の感情に巻き込まれることによって、本人もご家族も疲弊することになります。
 
本人が不安を口にしたり、イライラしたりしたときは、一度気持ちを受け止めたなら、そのまま流して振り回されないことが大切です。
 
そうはいってもなかなか難しいことだというのもよく分かります。
 
なので常に冷静を保つというよりは、本人の感情に巻き込まれる回数をすこしでも少なくすることを意識すれば大丈夫です。
 
そのためにも本人の感情に巻き込まれていると気づいたら、次の家族の心構えの項でも説明する通り、ご家族自身が優先的に自分を満たしてやることが大切です。
 
ココロに余裕をもって、うつ病本人の感情に巻き込まれないようにしましょう。
 

やさしく見守ること

うつ病の人をやさしく見守ることも重要です。
 
  • 本人の感情を受け止めつつ、本人のしたいようにさせること
  • ほおっておくわけではなく、関心を持ちながらもそのままにしておくこと
  • 休むべき時は休ませて、発散したいときは発散させること
 
このあたりが大切になります。
 
健康な人とはリズムが違うことも多いですが、あまり口を出さない方がいいと思います。
多くの人は、家族の反応を気にしています。
 
またうつ病の人は一日中家に引きこもっているイメージがあるかと思いますが、体調が良い時は元気に外出することもよくあります。
 
その元気な様子を見て「仮病」とか「ただの怠け病」と思われる方も結構いらっしゃいますが、それは誤解です。
 
健康な人でも、疲れてエネルギーが枯渇した時はひたすら寝て、身体の調子が戻ったら寝ていた分のストレスを発散するために外へ出ることはよくあると思います。
 
うつ病の人も同じです。
なので、ある程度エネルギーが溜まれば寝ていた分のストレスを発散したくて外へ出たりします。
 
うつ病の人は、例えるならばエネルギーを溜めるタンクに穴が開いてしまった状態なので、エネルギーが溜まりにくく、溜まってもすぐに枯渇してしまいます。
 
エネルギーが枯渇しやすいので、外出するとすぐに具合が悪くなって寝込むことになり、その様子を見たご家族は外出しない方がいいと思われるかもしれません。
 
でもタンクに開いてしまった穴を埋めるには、ストレスを発散する(ストレスホルモンのコルチゾールを減らす)必要があるので、外に出て楽しむことも本人にとって必要なことです。
 
ふたたび具合が悪くなったりすることに不安を感じたり、周囲の目が気になったりすることもあるとは思いますが、自己治療に必要な過程です。
 
なので、外出したり元気に楽しんだりする行動にあまりヤキモキしないで、優しい気持ちで見守ることはとても大切です。
 
※ただし、過活動と疲弊の繰り返しがあまりにひどいようならば、双極性障害の可能性もあるので主治医に相談するといいかもしれません。
 
でもその前に、倒れないで済む活動量の目安(一日の総歩数や心拍数、外出時間など。活動量計などを使うのもおススメ)を作って、それをもとに外出するなどの工夫をしてみるのもいいと思います。
 

こころにとめておいてほしい4つのこと

うつ病の経験者として、ご家族のこころにとめておいてほしいことが4つあります。
 
  • うつ病は脳の機能低下が原因であり、本人は身体のエネルギーが枯渇して頭が働かない状態であること。
  • うつ病の人は頭がうまく働かないので、考えたり判断することがとても辛いこと。
  • うつ病はだれでもなる可能性のある病気であり、本人もなりたくてうつ病になったのではないこと。
  • うつ病は脳の機能低下が原因なので、「根性や気の持ちよう」では治らないこと。
 
健康な人にとっては体験したことのないことなので想像しにくいとは思いますが、
  • 考えること
  • 判断すること
  • 選ぶこと
はどんなに簡単なもの(その日着るものや食べるもの)であっても、うつ病の人には負担を感じることがあります。
できるだけ負担が少ないように、考えなくて済む言葉かけや選択肢を絞った提案などをしていただくと本人の負担が軽くなると思います。
 
また「こころの風邪」という表現が、気の持ちようで病気をなんとかできるイメージを抱かせますが、そんな簡単なことではありません。
「しっかりしなさい」とか、(具体的な目標がなく)「頑張りなさい」という声掛け、安易な原因探し(人間関係や特定のストレスなどの追究)は避けてほしいものです。
 
 
 
次回は、家族がうつ病になった時の心構えについてです。
ここまでお読みいただきございました。

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